舌苔指数(TCI)とは?
舌苔指数(TCI)とは
舌の表面に付着する「舌苔(ぜったい)」の程度を数値化して評価する方法です。
舌苔は、食べかす・細菌・剥がれた粘膜細胞などがたまってできる白や黄色の付着物で、口臭や感染症リスク、摂食嚥下機能の低下とも関係します。
高齢者の訪問診療では、口腔清掃の評価やオーラルフレイルの早期発見に役立ちます。
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<<測定方法(標準的な評価法)>>
舌を前に出して観察し、舌背(舌の上の広い部分)を9つのブロックに分けて評価します。
1. 舌背を前後・左右に区切り、計9区画を設定
2. 各区画ごとに舌苔の付着状態を以下の3段階で判定
0点:苔がまったくない
1点:舌苔が部分的に付着(面積が半分未満)
2点:舌苔が広範囲に付着(面積の半分以上)
3. 9区画の合計点を出す(最大18点)
4. 合計点をもとに舌苔の程度を判定
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<<判定の目安>>
•0〜3点:ほとんど苔なし(清潔)
•4〜9点:中等度の付着(要注意)
•10点以上:強い付着(清掃不良、口臭・誤嚥性肺炎のリスク高い)
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<<高齢者訪問診療での意義>>
•口臭や誤嚥性肺炎の予防:舌苔は細菌の温床になりやすいため、清掃状況をチェック
•摂食嚥下機能の確認:舌の動きや清掃状態も間接的に反映
•ケアプラン作成の指標:口腔ケアの必要性や頻度を数値で示せる
•ご家族や介護職への説明にも活用できる(点数が低下してきた → ケア効果がある、と実感できる)
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TCIは、舌苔を「見てなんとなく」ではなく「点数で」評価することで、口腔ケアの効果やリスクを客観的に把握できる便利な指標です。高齢者の訪問診療で、口臭予防・誤嚥性肺炎予防・栄養摂取の改善につながります。
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ご家族の方へ ― 舌苔(ぜったい)とそのチェックについて ―
お口の健康は、全身の健康にもつながります。特に高齢の方では、舌の表面に「舌苔(ぜったい)」とよばれる白っぽい付着物がたまりやすくなります。これは食べかすや細菌などが集まったものです。
舌苔がたくさんついていると、
•口臭の原因になる
•食べ物の味がわかりにくくなる
•飲み込みのときに細菌が肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクが高まる
といった心配が出てきます。
舌苔指数(TCI)とは
そこで、舌の清潔さをわかりやすく数値で表す方法があります。これを「舌苔指数(TCI)」といいます。
舌を9つの部分に分けて、
•苔がない(0点)
•少しついている(1点)
•半分以上についている(2点)
と観察して合計します。
点数が高いほど苔が多い状態です。
ご家庭でできること
•1日1回、やさしく舌ブラシで清掃してみましょう
•水分をしっかりとることも舌の乾燥予防になります
•食後のうがいだけでも口の中が清潔になります。
ぜひ一度、舌をチェックしてみてください!


